滝川高校訪問記

講師 梅谷信行 (新領域創成科学研究科人間環境学専攻 M2)

滝川高校写真1

授業の様子

 
滝川高校写真2

心臓の研究について話す梅谷さん

 
滝川高校写真3

発表後は様々な質問が飛び交いました

 

私が母校の滝川高校で高校3年生だったころ、私の進路に迷っていたところを、偶然出会った卒業生の方が親身に相談に乗って下さり随分参考になった記憶があります。大学入学後の学生生活はなかなか高校生が知ることができないのですが、先輩と直接話せたことで大学や学科について明確なイメージを描くことが出来ました。そこで今度は卒業生になった私が大学や大学院について後輩に話し、大学で勉強や研究をするとどのような展望があるのか母校の後輩に知ってもらいたいと思い、BAPに参加しました。 そのために授業として何かを教えるという事に加えて、「自分がどのようなきっかけで、どのような研究を始め、どのように道が開けたのか?」ということを私の体験例で紹介することに重点を置きました。

発表準備は時間をかけて入念に行いました。「シミュレーションが拓く世界〜心臓から鉄琴まで〜」と題した発表を行ったのですが、シミュレーションが数学やコンピュータ・プログラムを使うものなので、どのように説明すれば一番高校生に理解し易いのかということは非常に悩みました。シミュレーションを行う過程を簡単な例で紹介して、その場で実際にプログラムを動かしてみたり、シミュレーションを応用して作られた実物を持ってきたりして実感しやすくしました。内容についても高校の先生と前もって相談して、医学部進学を希望する生徒が多いと聞いていたために、私の学部と修士での研究内容である心臓のシミュレーションに関する話を大幅に盛り込みました。また高校生は様々な興味を持っているだろうと考え、留学の話や人力飛行機の話、私が独自のアイデアで開発した設計ソフトウェアの話など色々な話題を加えました。BAPの皆様には練習会を開いてもらい、私のプレゼンテーションについて様々な意見を貰いました。専門用語が多くて分かりにくかった指摘を受けて修正した結果、高校生の知識でも理解し易く、プレゼンテーションがかなり改善されました。

授業当日は70人を越える高校生に50分の発表を聞いてもらいました。大変興味を持って聞いてくれているようだったのでとても嬉しかったです。授業後のアンケートでは「プログラミングには前から興味がありましたが、一層興味が沸きました」というものや、「自分の将来について考えることができ面白かった」という意見などが寄せられ、やはり授業をして良かったなと思いました。母校で授業を行い、生徒さんと近い立場である大学生が話すことでより親近感が沸くのだと実感しました。 私としても、今回の発表で後輩達の熱心な眼差しに触れることができたので、今後も一層頑張って研究をしようというモチベーションが沸きました。