多治見北高校訪問記
話し手 古林宏之 (新領域創成科学研究科 M1)
出張授業はじめます!
回折格子の実験中......
私はこれまで、科学館の臨時職員や大学主催のサイエンスカフェ等を通して、科学に興味を抱いている沢山の小中高校生と触れ合ってきました。こんなにも科学好きの子どもたちがいるのは素敵なことだなぁと感じているのだが、それと裏腹に、いざ科学の本丸である大学に目を向けてみると、理系の学科に入った後自分の目標を見失う人が少なくないのです。それは、昨今の高校生にとっての目標が"大学に入学する事"になっている事が原因ではないかと思います。私は入学後に自分がどんな学問を学びたいかのヴィジョンを持たずに入学してくる生徒が多いのではないかと常々疑問に思っていました。
私は少なくもと母校の生徒にはそういった大学選択をして欲しくない!!と思い、その思いを伝えるべくこの出張授業プロジェクトに参加しました。
私の出張授業は「特別講義」で、放課後に聞きたい生徒が自主的に聞きにくるという形式を取りました。授業時間は質疑応答を含めて60分。聞きに来て下さった生徒は12名。決して多くはありませんでしたが、自主的に聞きにきてくれただけあって、話題に対する反応もよく、私としてもとても話しやすかった事を覚えています。
今回の授業では専門である物性物理学について、また、大学院がどんな組織で普段どんな生活を送っているかについてをお話ししました。しかし、話の内容以上に私が思いを込めたのは、私がいかに科学を楽しんでいるかと言う事です。自分の興味ある分野に進んで、それについて四六時中考えていられる事がどんなに幸せであるのか。このことを、私の授業から生徒さんが感じ取って頂けたのであれば幸いです。
授業後のアンケートでは、「大学では自分のやりたい研究が出来て面白そう。」「改めて自分が大学で何をしたいのか考える事が出来た。」といった感想を頂けて非常に嬉しかったです。母校の後輩たちには悔いの残らない進路選択をして頂きたいです。