久留米大学附設高校訪問記

講師 足立昌聰 (法学政治学研究科法曹養成専攻 JD3)

久留米写真1

出張授業はじめます

 
久留米写真2

授業風景

 
久留米写真3

熱く語る足立さん

 

私は、高校の夏学期の最終日(10月3日)に、高校1年生と2年生の希望者約30名を対象に、「科学技術と法」というテーマで1時間の授業を実施させていただきました。そもそも、私が出張授業の講師へと応募した動機は、母校の後輩達に、文科系や理科系といった概念に縛られない自由な進路選択を考えて欲しいというところがありました。

授業では、私自身が科学技術の研究者から法曹へと進路変更をした経緯などをお話した上で、科学技術の知見と思考法が、法廷という環境でどのように働きうるのか、その有意性や問題点について、事例を交えながらの講義を行いました。特に、裁判官はどのような思考をしているのかを、実際の裁判例を題材にしつつ、その妥当性について一緒に考えてもらうということも行いました。

法律自体、高校生には馴染みの薄いテーマである上、抽象論になりやすい嫌いがあります。そこで、BAPのスタッフや他の講師の方を交えての事前の練習会では、閉じた研究環境では気付き得なかった、事案の具体性の欠如、用語の難解さやメッセージ性に関連する貴重な指摘を受けることができました。

当日は、始発便で福岡に向かい、最終便で東京に戻るというハード・スケジュールでしたが、講義後には1時間にも及ぶ活発な質疑応答があり、私自身も、自分の仕事に対して多くの示唆を受ける有意義な時間となりました。また授業終了後は、先生方からも、授業の内容だけでなくプレゼンや指導方法についても様々な助言を頂き、「人の前で話す」訓練としても貴重な経験となりました。

授業後のアンケートでは、「理系から文系への進路転換など夢物語と思っていた」などの回答を頂き、生徒さんに私のメッセージが伝わったのだと深く実感でき、大変嬉しく感じています。今後も機会があれば、様々な人に自分の経験を伝えることをやってみたいと強く感じています。