可児高校訪問記

講師 奥村知世 (工学系研究科応用化学専攻 M2)

可児高校写真1

出張授業はじめます!

 
可児高校写真2

自身の研究を語る

 
可児高校写真3

授業後の質問タイム

 

私の母校は岐阜県の公立高校で、熱意あふれる先生方に支えられた懐かしい記憶があります。今回、BAPの授業としては少し変則的でしたが、高校2年生の修学旅行研修の一環として、東京の会場で話をさせていただきました。

「理系の学生で研究をしている」というと多くの方が「どんな研究?」と興味を持って下さいます。しかし、その質問にうまく答えることは難しいといつも感じていました。最先端の研究は、どうしても先行研究の知識がないと正確に理解することができないからです。自分自身も、他分野の研究を理解できるかと言われれば無理だと思います。ただ、そこで「どうせ理解できないから」と発信をあきらめてしまうのももったいないな、と思っていました。

そんなときにBAPという存在を通して、高校生に積極的に研究の話をしている人がいることを知りました。高校生に理解してもらえるように研究内容を話すことができれば、その他の多くの人にも自分の研究を伝えることができると思い、自分へのチャレンジとして参加を決断しました。

高校生に話すにあたり、ずっと研究室という狭い世界で過ごしているために凝り固まってしまった自分の頭を、まずはリセットしました。そして、高校生に分かりやすいように、興味を持ってもらえるように、一つ一つ話を組み立てていきました。シンプルな表現で研究内容を表現することで、自分自身も研究を見直すことができ、 漂っていた研究への閉塞感が軽くなる気持ちがしました。

練習会も参考にしながら、内容のレベル、構成などで高校生が聞きやすいよう工夫をしました。具体的には、あまり習熟していない分野は視覚的なスライドを使って分かりやすくする、合間に研究風景の写真を入れ、それに関する小話をしてリラックスしてもらう、などです。

当日は120人もの高校生に話を聞いていただき、疲れている中でもほとんどの生徒さんが興味を持って1時間という長い話に集中してもらえたので、とてもうれしかったで す。また、話をする中で、数年前までは話を聞くだけだった高校生の自分が、そのように話す立場になったことを実感しました。こんな風に話を聞いてもらえた経験に恥じないよう、今後 も責任を持ってがんばらないといけないな、と気合いが入りました。