千葉市立稲毛高校訪問記
講師 坂上友理 (新領域創成科学研究科先端生命科学専攻 M2)
研究内容(活性酸素)を説明中
高校時代の成績を振り返りながら談笑
高校を卒業して6年あまり経ちました。母校に足を運ぶ、ましては教壇に立って自分の研究や進路について話すとは夢にも思いませんでした。
そもそもBAPに参加しようと考えたのは『研究の面白さを伝えたい!』という気持ちが一番の理由です。大学では研究室公開という行事があるのですが、人に自分の研究を聞かれたときに専門用語ばかり使ってしまいわかりやすく答えられない、面白さの本質を伝えられない自分にもどかしさを感じていました。
BAPの説明会で実際に講師に行かれた方の話を聞き、出張授業で得られる反響の大きさに驚きを受けました。ただ自分の研究を高校生が分かるレベルで説明できるか、スライドを作れるか不安になりましたが、母校に恩返しをしつつ、自分の研究分野の面白さや熱意を伝えられるよいチャンスだと思い参加を決意しました。
上記にあった不安も補助員の方のアドバイスや、練習会での様々な方の意見を頂くことで解消されました。またそれらを通してスライドの修正、説明不足の改善といったより丁寧なプレゼンテーションを作っていくことができたと思います。
出張授業は高校の進路ガイダンスという枠の中で行われました。ガイダンスでは私以外にも実際に大学で教鞭を取られている先生方が11人もいらっしゃったり、最初の待機場所が校長室であったりと正直なところかなり緊張しました。
発表は32名の後輩達を前に自分の研究、それをしようと思ったきっかけ、実験の苦労だけでなく大学入学後の生活や大学院での日常生活を紹介しました。実験の失敗や苦労などは盛り込まない学会発表とは一味も二味も違う貴重な経験です。
授業後のアンケートには『ナノ粒子や実験結果が興味深かった』といった研究に関する意見だけでなく、『進路の参考になりよかった』という感想も頂きました。卒業生として嬉しさを感じたのはもちろんですが、より一層研究に打ち込んでいこうという決意とエネルギーを頂け感謝しています。